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和字書体については、実用に即したファミリー・システムの構築をすすめていきたいと思います。
● Revision 9・Traditional 9・Succession 9 ・Ambition9の和字書体集は、古い出版物などから和字を抽出して活字書体として再生されていますが、このような手法をとるようになったきっかけはなんだったのでしょうか。
手法としては「秀英明朝」「ヘルベチカ」「艶」など、社員として過去に携わった書体と変わるものではありません。「はつひやまと」なども同様で、その延長上にあります。ですから、突然あたらしい設計手法にとりくんでいるということではなく、ただ発展させているに過ぎません。
ある大学の教材で欧文書体の解説書があることを知り、学生が日本では母国語ではない欧文にしか興味をもたないというのではなさけないと思ったのです。そこで、とくに和字書体についてその歴史を把握できるような書物ができないか、タイポグラフィ関係の書物を多く出版している「朗文堂」にその企画をもちこんだところ、「ヴィネット」のシリーズでやりましょうということになりました。それが『Vignette05 挑戦的和字の復刻』です。
この書物のために、当社では和字書体も制作していたので、せっかくだから、デジタル・タイプとしても販売しましょうかということになりました。ですから「ヴィネット」の副産物として「和字 Revision 9」ができたということです。
●和字書体集のそれぞれを、わかりやすく説明していただけますか。
『Vignette05 挑戦的和字の復刻』(2002年 朗文堂)から誕生した「和字 Revision 9 」では、9書体それぞれが「点」として存在しています。江戸時代以前の和様体(連綿を基調にした書風)、明治時代以降の本様体(一字一字が独立した書風)、時様体(いわゆるゴシック体風)がバランスよく収容されています。
つづいての『Vignette11 和漢欧書体混植への提案』(2003年 朗文堂)から誕生した「和字 Traditional 9 」をくわえて、あわせて18書体となり、「線」として歴史的なつながりをもつようになりました。結果的には和様体が多く収容されています。
さらに『Vignette14 和字─限りなき前進』(2005年 朗文堂)から誕生した「和字 Succession 9 」においては「線」からさらに発展して、「面」をつくることをめざしたものです。これは和字書体としての分類を考えてのことで、本様体を中心に収容されています。
書物の装幀からはじまって、新聞の広告や映画のタイトルなど、はばひろく使われているのをよく見かけるようになりました。雑誌での本文組みなどでも使われるようになったようです。古くて新しい未来志向の書体が、じっくり浸透していくことを願っています。
●和字書体集の後も和字シリーズは続くのでしょうか。
それぞれの書体のさらなる研究と、実用に即したファミリー・システムの構築をすすめていきたいと思っています。
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